新型コロナウイルスの影響で不要不急の外出自粛要請が続いています。 旅行好きな方はもちろん、実家から離れて過ごす方の帰省など……多くの方が我慢や自制を長期間されている事と思います。そこで、そんな今こそ楽しめる……おすすめしたい旅映画をピックアップしてみました。
映画好きの筆者(キシマ)が、「家にいながら旅行気分を味わいたい」「人生という名の旅路に迷っている」「子供が楽しめる旅アニメを探している」といったテーマで、洋画・アニメなどの『旅気分』を楽しめる映画を15作品!
余計旅にでたくなってしまう! というご意見もあるかもしれませんが(笑)ひたすら我慢を続けるよりも、事態が収束する日を楽しみに、まずは映画の世界に浸ってみては如何でしょうか。
バルセロナの美しい風景と 、旅先での恋 『それでも恋するバルセロナ』
美しいスペインの街を舞台に、恋愛関係のもつれを描いたちょっぴりセクシーな映画『それでも恋するバルセロナ』。 『ハンナとその姉妹』『ミッドナイト・イン・パリ』などのウディ・アレン監督による作品です。
真面目な女性ヴィッキーと、肉食系女性のクリスティーナ。2人はスペイン・バルセロナを旅行中、ひとりの男性に出会い心惹かれていきます。しかしなぜか彼の元妻が現れて、奇妙な四角関係が生まれることに……。
3人の女性と1人のモテ男の恋愛模様を描いた本作では、浮気や、一時の恋愛、痴話喧嘩など実にウディ・アレン監督らしい要素が髄所にちりばめられています。
映画で人生の教訓を学びたい、ハッピーエンドな恋愛物語が好きな人にはおすすめできませんが、ドロドロした人間模様が好きな人はハマること間違いなし!
バルセロナの美しい建築物、自然風景もみどころのひとつ。 そしてスカーレット・ヨハンソンとペネロペ・クルスが暗室でキスをするシーンは実にムードがあります。
ゴージャスな休暇感を楽しめる『セックス・アンド・ザ・シティ2』
ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の映画化作品第2弾。4人の女性がアブダビでゴージャスな休暇を楽しむ! テンションの上がる恋愛映画。
人気ドラマの映画化作品第2弾ですが、序盤で登場人物の振り返りをしてくれるため、ドラマや前作を未視聴でも楽しめます。 むしろ、本作はストーリーがやや希薄なため、面白い恋愛ストーリー楽しみたい人はドラマ版か劇場版第1作目をおすすめします。
それでも本作を紹介するのは、アブダビの高級ホテルや、煌びやかな衣装、美味しそうな料理、思わず叫びたくなるような美しい青空、親友同士で過ごす楽しい旅行シーンが素敵だから。
旅行の高揚感や感動といった気分を味わいたい時にはぴったりな映画です。
本作、および劇場版第1作目、Amazonプライム会員なら無料で視聴できますよ。 なお、時間は短いですが過激なラブシーンもあるのでR15+作品です、ご注意を。
心に響くロードムービー 『グリーンブック』
黒人ピアニストとイタリア系用心棒によるロードムービー。第91回アカデミー賞作品賞受賞。
黒人差別と男同士の友情を描いた『グリーンブック』。 天才ピアニストで実績もある黒人シャーリーですが、南部へ行けば黒人というだけで非道な差別を受け、用心棒のトニーもイタリア系というだけで警察官から訝しむ目を向けられます。
そんな2人は旅を通してお互いの境遇を理解し、差別に対する憤りや怒りを激しくぶつけ合います。虐げられた経験がある人は、彼らの魂の叫びに心を揺さぶられることでしょう。同時に、現実世界を前向きに生きるための勇気と希望を得ることができるかと思います。
クスっと笑える知的なユーモアや、レトロな車が南部の街を颯爽と走るシーンも本作の魅力です。心に響くロードムービーが見たい人におすすめです!
余談ですが、黒人ピアニストを演じたマハーシャラ・アリは本作で第91回アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。俳優として成功した彼ですが、映画祭での会食で支配人にどうして黒人がここにいるのか質問されたり、レッドカーペットでは隅に追いやられたり、有名になった今でも黒人差別を受けると語っています。
こちらもAmazonプライムビデオで無料視聴対象となっています。
サスペンス風ロードムービー『運び屋』
家族に見放されたお金も地位もない80歳の老人が、麻薬の運び屋として大活躍! クリント・イーストウッド監督・主演のロードムービーが本作『運び屋 (原題:The Mule)』です。
80歳の老人アールが、おいしい仕事があると聞き飛びついたのは、メキシコの麻薬カルテルの運び屋でした。麻薬捜査官もまさかこんな老人が運び屋をしているとは思わず、アールは見事警察の捜査網を突破します。お金を得たおかげで家族との絆も取りもどし、全てが順風満帆に思えたとき、アールの人生は再び窮地に立たされます。
犯罪に手を染めてしまった老人の第2の人生を描いた本作。手に汗握るサスペンスチックな結末が見どころですが、最も注目して欲しいのはクリント・イーストウッドが映画終盤に見せる『顔』です。
『ダーティハリー』『マディソン郡の橋』『アルカトラズからの脱出』など様々な名作映画を作り上げた俳優が見せる、筆舌に尽くし難い表情は絶対に見逃さないように!
人生という旅路に迷っている人や、サスペンス風ロードムービーが好きな人におすすめの映画です。本作もAmazonプライムビデオで無料配信中です。
綺麗な街並みと美味しい食べ物! 『食べて祈って恋をして』
ニューヨークのバリキャリ女性がすべてを捨てて自分探しの旅に出る!ジュリア・ロバーツ主演の旅映画『食べて祈って恋をして』
「昔の自分の方が輝いていた……」そんな思いからイタリア、インド、バリ島を巡る1年間の旅に出たエリザベス。原作が自伝的エッセイなので、物語性を期待すると肩透かしをくらうでしょう。
そのため本作ではジュリア・ロバーツの演技力、ニューヨークやイタリアなどの綺麗な街並み、美味しそうな食べ物、その土地ならではの衣装をメインに楽しむことをおすすめします。リラックスして旅行気分を味わいたい人にぴったりの映画です!
豪遊の限りを尽くしたい!? 『最高の人生の見つけ方』
余命わずかな老人男性2人が、人生のやり残したことに挑戦するハートフルムービー。
お金持ちで我が道を行くエドワードと、お金はないけど家族に愛されるカーター。余命半年を宣告された2人は歩んできた人生も性格も違いますが、病室で出会ったことをキッカケに、お互いの『やりたいこと』について語り合います。
『スカイダイビングをする』『マスタングを運転する』『泣くほど笑う』『世界一の美女にキスをする』などなど、2人はお金の力で夢を叶えていきますが、性格の違いから仲違いしてしまうことに。2人は無事に仲直りできるのか。そして最難関とも思える夢をどのように叶えるのか……。
さまざまな国を巡り贅沢の限りを尽くすシーンには旅行気分が味わえますし、終末期を過ごす老人の物語は夢への向き合い方を教えてくれます。旅映画としても、ロードムービーとしても楽しめる作品です。
本作はAmazonプライムビデオ、無料視聴対象作品です。
ちなみに2019年には吉永小百合と天海祐希の主演で日本版リメイクも制作されました。やはり物語のスケールが大きい本家(洋画版)の方が個人的には楽しめましたが、ももクロメンバーが登場したりと邦画版も見どころアリですよ。
空港を歩く時のワクワク感を疑似体験『ターミナル』
ある目的のためニューヨークを訪問したビクター。しかしクーデターのせいで母国が消失。パスポートが無効になりニューヨークJFK国際空港から出られなくなってしまう……。
実際に同じような状況が発生したらどのような救済措置が取られるのか、そんな疑問はさておいて。英語が理解できないビクターは小銭を拾いバーガーキングで腹を満たし、休憩所のベンチを繋げ簡易ベッドにし、空港内での『生活』をスタートさせます。
映画『ターミナル』を見れば空港内を歩く時のワクワク感を疑似体験できるでしょう。
ちなみに本作は、実際の空港での撮影許可が下りなかったため空港内部を模した巨大なセットを作り、その中で撮影が行われたそうですが、何度見ても実在の空港にしか思えない出来です。 旅行気分が味わえるだけでなく、ちょっとしたロマンス、小粋なギャグシーンも楽しい映画です。
また空港に関係した映画として、『マイレージ、マイライフ』もついで(?)におすすめしておきたいところ!
出張でアメリカ中を飛び回るサラリーマンが主人公の本作は、日本とは違う海外の空港の雰囲気が楽しめます。主役を演じたジョージ・クルーニーが、スーツケースを引っ張り颯爽と保安検査場を抜けるシーンが最高にクールです!
豪華列車の内装と壮大な雪景色『オリエント急行殺人事件』
名探偵ポワロの名作サスペンス映画。主演はケネス・ブラナー、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォー、ジョニー・デップ、ジュディ・デンチなど。
ストーリーは列車の中で一人の極悪人が殺され、名探偵ポワロがアリバイ証言や状況証拠から犯人を推理し追い詰める……というもの。有名な作品なので結末を知っている人も多いかもしれません。
豪華列車の内装と壮大な雪景色がとにかく美しいので、列車での旅行気分とサスペンスのハラハラ感を同時に味わいたい人にイチオシの作品です。
なお、名探偵ポワロが大好きな筆者として、原作に忠実なデヴィッド・スーシェ出演のドラマ版(名探偵ポワロシリーズ シーズン6 『オリエント急行の殺人』)もぜひ見ていただきたいところ! とはいえ、映画版の方が脚本がシンプルで映像も美しく、キャストも豪華なので、入門編としてまずは映画版を見る事をおすすめします。
80,90年代アメリカの雰囲気や広大な景色『テルマ&ルイーズ』
女性たちの逃避行を描いたロードムービー。第64回アカデミー賞脚本賞受賞。
ドライブを楽しんでいたテルマとルイーズ。しかし立ち寄ったバーでテルマが暴漢に襲われ、ルイーズは拳銃で男を殺してしまいます。2人は車に飛び乗り逃走を図りますが、警察は捜索を開始し……。
一度見たら絶対に忘れられない逃避行の結末は、ぜひ自分の目で確かめてください。昔の映画ですが女性ならではの生き辛さを描いている為、どの年代の人が見ても思う所があるでしょう。物語だけでなく80,90年代アメリカの雰囲気や広大な景色も印象的なロードムービーです。
人生の岐路に立たされている人、『あのこは貴族』『ハスラーズ』『チャーリーズ・エンジェル(2019)』など、シスターフッド(女性同士の連帯)を描いた映画が好きな人にもおすすめです。
バカンスで人のいないローマ郊外 『ニーナ ローマの夏休み』
バカンスシーズンで人が少なくなったローマを舞台に、一人の女性の夏休みを映すイタリア映画。
ペットの世話をしたり、書道を習ったり、カフェでジェラートを食べたり。そんな日常風景をアーティスティックに表現した映画が『ニーナ ローマの夏休み』です。
物語性は希薄なため大きなイベントは発生しませんが、それでも画面から目が離せないのは、独特な構図で捉えた近代建築やオブジェが美しいせいでしょう。またモーツァルトの音楽や登場人物たちの哲学的な会話も、本作のアート性を高めています。映画というより鑑賞する詩といっても過言ではありません。
起承転結がはっきりした物語やコントラストの強い作品が好きな人には合わない作風かもしれませんが、一風変わったヨーロッパ映画が好きな人にはたまらない映画です!
旅先での楽しみが沢山『オーシャンズ』シリーズ
犯罪プロ集団がセキュリティ万全なカジノから大金を盗み出す! そんな『オーシャンズ』シリーズは年齢、国籍、専門分野もバラバラな登場人物達が、己の威信をかけて大金を盗み出すクライム映画です。
『オーシャンズ11』ではラスベガスのカジノを襲い、『オーシャンズ12』では美術館からインペリアル・イースター・エッグを盗み、『オーシャンズ13』ではラスベガスのホテル王を破滅に追い込みます。
物語の舞台はラスベガス、アムステルダム、イタリアなど作品によって異なります。しかし美しい街並みをおしゃれなBGMと共にスタイリッシュに映す演出はシリーズで共通しているため、どの作品を見ても海外旅行気分が味わえるでしょう。
ぼうっと見ているだけでは気がつかない巧妙に張り巡らされた伏線、一筋縄ではいかない強盗計画、華々しいキャスト陣も魅力的な作品です。Amazonプライムビデオでは11,12,13が無料配信中です。
また『オーシャンズ』シリーズのスピンオフ的映画『オーシャンズ8』にも触れておきましょう!
女性の犯罪プロ集団が、驚きの方法で高級宝石を盗み出すという本作の舞台となるのはニューヨーク市メトロポリタン美術館。豪華絢爛なパーティ、ニューヨークの街並みを楽しみたい方はこちらもチェック!
アメリカ南北3500km壮大な自然風景 『ロング・トレイル!』
40年ぶりに再会した悪友と、自然歩道『アパラチアン・トレイル』の踏破を目指す! 実話をもとにした感動映画。
穏やかな日常に物足りなさを感じた元紀行作家のビルは、全長3500kmにおよぶ『アパラチアン・トレイル』を旅することを思いつきます。しかし一緒に行くと手を上げたのは、喧嘩別れをした破天荒な友人カッツでした。
性格も見た目も真逆な2人は、時にののしりあい時に助け合い、旅を通して自分の人生を見つめ直します。
男同士のつかず離れずな微妙な距離感を見事に描いた『ロング・トレイル!』バディ物が好きな人にもおすすめです。また小さな悩みなんて吹き飛ばしてくれそうなアメリカの壮大な自然風景も美しいので、アウトドア好きにはぜひ見てほしい映画です。
筆者は完全なるインドア派ですが、本作鑑賞後は柄にもなく自然の中を散歩したくなりました。
バカ騒ぎと失敗もいい思い出……か!? 『ハングオーバー!』シリーズ
エロ、汚物、下ネタ、なんでもありなお下劣コメディ映画『ハングオーバー!』
結婚式前のパーティで記憶を失うほどバカ騒ぎをした男たちが、失踪した花婿を探すストーリー。エンタメ映画としてギリギリ許されるのかな~という下品なギャグ・コメディの連続で見る人を選ぶ作品ですが、頭空っぽ状態でも楽しめるバカンス映画を求めている人にイチオシです。
特にシリーズ3作目の『ハングオーバー!!! 最後の反省会』は中年男たちがラスベガスを目指すストーリーで、ロードムービー要素が強くなっています。
Amazonプライムビデオでは……
- 第1作 ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(R15)
- 第2作 ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える(R18)
- 第3作 ハングオーバー!!! 最後の反省会(PG12)
と、全シリーズ無料配信中です。 それぞれ年齢制限があるのでご注意ください!
冒険旅行気分! 『映画 ひつじのショーン ~バック・トゥ・ザ・ホーム~ 』
人気クレイアニメーションが映画化。消えた牧場主を探すべく、いたずら好きのショーンとその仲間たちが都会へと向かう!
広々とした牧場で生活するひつじのショーンたち。しかし今回の舞台は近代的なヨーロッパの街! ショーンたちは機転をきかせながら、迷子になった牧場主を探します。しかし動物保護局の魔の手が迫ったり、なぜか犬のビッツァーが人間を手術することになったり、一筋縄ではいきません!
本作を見れば、ちょっとした冒険旅行気分に浸れるかも。上映時間は90分。アニメシリーズと比べると長く感じますが、テンポのいいストーリーとドタバタ感のおかげで最後まで退屈できずに鑑賞できるでしょう。
子供向けのアニメですが、大人にしか分からないような『洋画あるあるの小ネタ』も仕込まれているため、ぜひ親子で鑑賞してください!
家族との旅もいろいろ 『2分の1の魔法』
魔法の杖を使って死んだ父親を復活させようとする兄弟。しかし復活したのは下半身だけだった!そこで兄弟と父親(下半身)は魔法探しの旅に出ることに…。
お調子者で前向きパワフルな兄バーリーと、内気で真面目で大人しいイアン。決して仲が悪いわけではないけれど、相手に対してコンプレックスを抱き心の内を明かせないでいる2人は、長旅を通して自分をさらけだしお互いを理解していきます。
メインテーマはピクサーアニメによくある『家族愛』ですが、兄弟ならではの確執、継父との距離感、親の死など過去作にはあまりない要素を自然に取り入れています。
また体感型アトラクションのような派手な映像、謎解き要素のある冒険譚、ちょっぴり意外な結末が面白い! 『コロナ禍前はよく家族旅行をしていた』というファミリーや、冒険物語が好きな子供におすすめの映画です。
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