こちらは「実践ソフトウェアエンジニアリング第9版 Advent Calendar 2021」、(だいぶ遅れましたが)13日目の記事です。書籍へのリンクはこちら(オーム社)。

私は本書の13章と21章の英語から日本語への粗訳を担当しました。これらは主にWebや移動体通信が関わる範囲の話でした。私の過去の経験が多分に重なる分野であり、照らし合わせながら訳を進めることができました。翻訳プロジェクトが本格化した時期と私の渡米が重なり、限られた時間しか翻訳に従事できませんでしたが、粗訳を他のメンバーが磨き上げてくれてとても立派な文章になったかと思います。

既に一読された方々は感じたかもしれませんが、特に移動体通信まわり(21章)は原文自体もまだ粗けづりな感じが他に比べて強いかと思います。これは原文自体も同様です。私の同分野における経験を照らし合わせても、今現在も変化している内容も多分に含まれるためこの荒削り感は否めないと感じたところでした。

一方、例えばWebで扱われた、議論された内容の多くが移動体通信の話で引用されたりと、これまで培われてきた内容が転用できる箇所も多いと感じるかもしれません。新しい表現や言葉も登場します。これらの中には英語に対する対訳としての適切な日本語が難しいところも多く、翻訳の難しさを感じたところも多くありました。教科書として利用されることも想定される書籍のため、十分に適切な日本語の対訳ではない場合、以降の世代にも影響を出してしまうというプレッシャーもありました。

現在、私は仕事として21章で言及されているような実際のユーザに近しい環境(国、地域、ネットワーク環境など含む)をいかに現実的な環境として提供し、テスト・計測・観測できるようにするか、性能計測やその結果分析を評価するサービスを開発します。その環境もあり、21章は挑戦内容含めて共感する場面が多くありました。いずれ、例えば21章で言及されているような現在の課題なども月日の経過とともに発展し、その先にある課題に取り組むことができる状況になっていくと良いと考えています。

それでは、また。


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